本日はやや数学的な話が含まれますが 単純計算しかしていませんので 敬遠せずお読みいただければ幸いです。 ●「人と人との接触8割減」とは? 「人と人との接触8割減」は 「人出8割減」と同義ではありません。 「人出6割減」で 「人と人との接触8割減」は達成可能です。 「人と人との接触」は接触相手があって 初めて成立するもの。 人出が6割減れば、 接触は出歩く4割の人同士の間で発生します。 0.4×0.4=0.16 ですから 接触は16%に抑えられ、84%減となります。 もう少し細かく計算すれば 0.45×0.45=0.20 ですので、 人出が55%減少すれば接触は8割減となります。 別の方法で計算してみましょう。 100人の集団での総当たり回数は 100×99÷2=4950回。 45人の集団での総当たり回数は 45×44÷2=990回。 990÷4950=0.2 ですので、 人数が55%減少すれば総当たり回数は8割減です。 ●専門家の提言根拠 そんな単純計算で…と思うなかれ。 そもそもの「人との接触8割減」は 次のような単純計算から出てきたものです。 1人の感染者が何人に二次感染させるかを表す 「再生産数」という、最も当てにならない指標を持ち出し、 これを“他国を参考に” 2.5と“仮定”しました。 1人の感染者が二次感染させる人数が1人未満なら 感染は収束していくでしょうという考えに基づき、 2.5にいくつ未満の係数を掛ければ1未満になるかということで 1÷2.5 で算出したのです。 答えは 0.4(6割減)ですが 「どうしても出てこざるを得ない人たちがいるので」 との理由で、“ざっくりと”「人と人との接触8割減」 を目標とするよう提言したというわけです。 何ともまぁ高度な専門性です。 ●目標をすげ替えた政府 そして、この「人と人との接触8割減」を 何の疑いもなく「出勤者8割減(最低7割減)」 という目標にすげ替えて 国民に要求したのが政府。 人出が8割減に届いていないと騒ぎ立て、 危機感を煽っているのがマスコミです。 行き過ぎた経済締め付け政策は 取り返しのつかない致命傷となります。 文字通りの致命傷です。 何百万人もの失業者や経済困窮者を生み、 リーマンショック時をはるかに超える 自殺者を生じさせかねません。 ウイルスの被害を最小限に抑えつつも 経済的損失を最小限に抑える、 そのバランスをいかにとるかが至上命題なのです。 どちらかに片寄ってはなりません。 ●危ない「正義感」 いま、国民の大多数が 「一人でも感染者を増やさないことが正義」 という価値観に染まりつつあります。 さらには、 「外出自粛に協力しない国民は悪」 といった一方的な考えをもつ人も増えています。 非常に危険です。 多数派の後ろ盾を得た正義感は増長し、 歯止めが効かなくなります。 少数派を窮地に追い込むことに 何の痛みも感じなくなります。 ●少数派の意見に耳を傾けよう 多数派が増えてきたときほど、 少数意見にしっかり耳を傾けることが大事です。 勢いに流されるままの多数派よりも、 得てして少数派のほうが しっかりした状況判断ができているものです。 あなたの会社では 少数派の意見が踏みつぶされるようなことが 常態化していたりはしませんか? 結論はどうあれ、 しっかりと少数派の意見を汲み取ったうえで 皆が納得できる結論を導き出すことです。 そうしなければ「一致団結」など 望むべくもありません。
top of page
bottom of page
Comments